花梨とうの粒焼き

日々のちょこっとをちょこっと。

名がある毒

前々から口を酸っぱくして書いとりますが『図鑑』が好きである。

『図鑑』と名が付くものなら何でもいいのかっちゅーと、何でもよい。

ただ、買うと値段がお高いし重いし、場所を取るのでひたすら図書館で借りるのみ、だけど^^;

 

目につくと何でも借りてしまう。

植物や魚、鳥、建物や空、仏像、宇宙、ものの仕組み、原石、妖怪、人形、恐竜、お土産、はたらくおじさん(小学生?^^;)などなど。

前に『醤油鯛図鑑』(著者が名づけたらしいのだが弁当に付いてくる魚のカタチの醤油入れ)なるものを見つけた時はわくわくうきうきしたもんだ。

 

 思うに、どんな図鑑であってもそこに共通しているのは、オタク的な情熱、執念だと。

いったん、図鑑にしよう、と決めたからには全てを網羅しなければ、と思う。だけどそれは無理な話であろうよ。

だって世界は日々、何かが無くなったり生まれたり変化したりしているのだし。

でも、そんな中で図鑑を作ろうとした人たちの努力や、『好き』が動かした情熱っつーもんが伝わってくる。

で、携わった人たちの、そんな汗と涙の結晶である『図鑑』を、私はただパラパラと捲って終わりである。

だから、な~んも身になっていない(笑)

なんちゅー作り甲斐の無い読者だよ、と思う^^;>

まあ、たまにページを捲る手を止めて、ほぉ~とかへぇ~とか思ってしばし眺めたりはするけれど。

 

 

未だに花の名前も鳥の名前も宇宙のことも全く分からない。

今まで読んだ(見た)図鑑の全ての名前や特徴が頭に入っていたら、間違いなく○○博士と呼ばれていたろうに !!

 

または、近所の子供たちが引きも切らず訪ねてきて、「花梨おばちゃん~!この虫は何て名前?何食べるの?」なんて質問に、どれどれ?・・おや、珍しい。これはヤマトガイ科のヒトツメツムリだねぇ~普段は脱皮したイナゴを食べるよ。(全て適当。イナゴって脱皮するのかどうかも知らん)」なんつって大人気だろうて。

 

で、昨日。

何で今まで気づかなんだ!と思いついて、図書館のHPにて『図鑑』で検索してみた。

・・優に3000冊は超える・・。

世の中どんだけ図鑑好きがいるんだっ!^^;

 

何にしよう・・と、わくわくしながら最近のデング熱報道じゃないが、『危険・有害生物』っつー図鑑を借りた。

その際、娘に「ついでに黒魔術図鑑ってあったら面白そうだから借りて~」と言われたのだが、そんなのは無かった。

無かったし、黒魔術と毒持った危険生物の図鑑を一緒に借りるってアンタ、借りた私が一番危険な奴だと思われるよ!^^;

 

そんなことで昨日の夜は、毒三昧であった。

 

もう、あれですのね。

あらゆる生物に毒ありますね。

綺麗なバラには棘があるどころじゃなく、どんなに地味なものにも毒がある。

しびれたり口内炎が出来たり熱が出たり、はたまた死に至ったり。

 

でも、花などの実や葉っぱの場合はそれを食すると、というのが多い。

鳥や昆虫はオッケーで、人間が食べると毒。

そっか・・。

鳥はその実を食べてフンをすればその場所からまた芽が出て命を紡いでいけるし、昆虫だって花粉を運んでもらえる。

人間はソレ食べてフンをしたって(失礼)トイレに流されて終わりである。

人間に食べられたくないから毒があるのか。。

でも人間はその毒を薬に変えたり、はたまたうまく食用にしちゃったりしている。

そうやって植物や動物が必死に抵抗していても、ちゃっかし利用してしまうところが人間なのだなぁ。

だから絶滅したり食物連鎖のバランスが崩れたりするんだなぁ。

・・な~んつーことを、図鑑を見ながらぼんやりと思っていた。

 

 

この間、宮部みゆきさんの『名もなき毒』を読んだ。

私は、我々の内にある毒の名前を知りたい。誰か私に教えてほしい。我々が内包する毒 の名は何というのだ

 

ホント、名前の付いた毒ならまだ避けようがあるし対処のしようがあるけど、人間が心の奥に持っている毒は見えない。名前がつけられず図鑑にも出来ない。

吐き出されて初めて名前が付いたりする。

 

毒の無い人間なんていないと思うし、私は少々の毒を持っている人の方が好ましく思うし。

むしろその人の毒の種類?によっては中毒になったりもするし。

あ、いい意味で^^;

 

 

しかし、人間によっては吐き出せば猛毒となって人を傷つけたり殺してしまう毒を持っているのもいる。

それらの毒は内包されていても、じわじわと外に沁み出ている。

それをいかに嗅ぎ取って避けられるか。避けようがない場合もあるけど。

 

だからせめて、いじめや性犯罪の加害者は、ぜひ、図鑑にして名前を載せといて欲しいもんだ。