彼女の年賀状メール
高3の時に仲良くしていた彼女と同窓会で再会して、今年初めて年賀状メールが来た。
それはまさに年賀状の態をとっていて、真っ黒な下地にバラの花なんぞでキラキラに縁どられている。
それは彼女の容貌をそのまま年賀状にしたような、派手でゴージャスなものであった。
で、返事を書こうとは思いつつなかなかその気になれんかった。
スマホからのアプリだか何だか知らんけど、あまりにもゴージャス過ぎて、それに比べて私のガラケーの、あの絵文字があまりにもしょぼく思えて対抗出来ずにいたから(笑) ま、対抗するこたないんだが。
・・最初、このケータイの、ズラーッと並んだ絵文字を見た時ゃ、凄い!@@:と思ったんだけどなぁ・・(笑)
高校時代の彼女は(再会してもそうだったけど)明るくて派手で、パッと花が咲いたような雰囲気だった。で、なぜか気が合って一緒にいた私は、明と暗で、暗の部分担当のような気がずっとしていた。
何か、自分の中の元気な部分を彼女といると全部持ってかれているような。
そんな妬み嫉みを感じていた。
私しゃ彼女の引立て役か?・・みたいな(笑)
そんな思いが、この年賀状メールで再び体現されたような?^^;そんな気がしてたのかも知れん。
また、送るのを躊躇していた原因に、彼女が一斉送信した他のアドレスが私が知らん宛先だったっつー理由もある。
彼女にしてみれば皆、友人なんだけど貰った私はこの人誰?・・である。 ま、何人かは、アドレスからあの子たちだな、とは検討が付いたけど、かと言ってそんなに親しかったわけではなく。
また逆に、私のメルアドが誰か知らん人のケータイにも送られている、ということのちょっと不快な感じ。
同級生の誰かだろうことは分かっているけど、それは個人情報の漏えいっつーか、それ以前の心がけとしちゃちょっとアレだよな・・と。
そんなものがごちゃごちゃして、ずっと返信出来ずにいた。
彼女は何年か前に離婚して東京を離れ今は一人、大阪で化粧品店を営んでいるらしい。
あの天真爛漫な性格が彼女の生活を前へ前へ押し出しているんだろうなぁ。。
でも。
昨夜、私は、同窓会の時の彼女のことを思い出した。
短い時間の中で、これまでのあれこれをかいつまんで話したあと、まぁ・・いろいろ大変だったけどネ・・と呟きながらふっと翳った彼女の表情を。
んで、いつも人前では明るく派手な彼女だけど、もしかしたらあの時の表情は私だから見せたのかな?なんて思った。
同窓会で会った瞬間に何も言わずにぎゅぅーと私を抱きしめたのは。
同窓会の後、彼女から長々としたメールが届いた。
花梨ちゃんに会えてホントによかった。今度はもっとじっくり話したい云々と。
慣れない土地で一人で暮らし始めていた彼女にとって、この同窓会は特別な思いで参加したんだろうなぁ。
帰りの電車の中ですぐ打ったんであろうそのメールはやはりキラキラしていて元気いっぱいだったけど。。
でも、今までそんな風にして、寂しさや悲しさをその派手な笑顔に閉じ込めて生きてきたのかも知れない。
そんなことを思い、今日、とうとう返事を書いた。
ガラケーの、なんてことない絵文字を付けて、今度はゆっくり飲もうね、と。
一斉送信ではなく、彼女だけに。