蹴っとばす。
何やら穏やかならぬタイトルではありますが。
タイトルだけで好感を持っている本がある。
『蹴りたい~』は綿矢りささんで、『勝手に~』は・・綿矢りささんである。
・・ってどっちも綿矢りささんであった。
うむ。。この人のタイトルの付け方はいいねぇ。
中身、読んだことないけど。
多分、今日(こんにち)興味がない^^;恋愛モノであろう、なので読む気にはなれんけれど。
『勝手にふるえてろ』は明らかに?あのアーティストの歌詞へのちょっと意地悪な感じが出ててなお良い(笑)
蹴りたい背中、と言われて思い出す、過去に付き合った彼氏がいる(笑)
もちろん好きになった時点ではその人の背中は蹴りたいどころか寄り添いたいほどであったろうよ。あったろうよ、って人ごとみたいだけど。
で。
好きになった理由あれこれより、嫌いになったあれこれの方をよく覚えているところが自分の悲しいところであるよ。
しかも、ど~でもいいような事^^;
しかし、ど~でもいいような事でいやになっちゃうところが男女の恋愛であるからして。
その頃バイトをしていた店のロッカーは鍵が付いていなかった。
ロッカーは店の2階の事務所内にあったもんで(まあ、外階段なので誰でも上がれるっちゃー上がれるのだが)店の関係者以外が立ち入るような場所ではなかった・・はずなのだが。
ある日帰ろうとロッカーを開けたらバッグから財布だけが消えていた。
貧乏学生であったからお札すら入っていたかどうかの金額ではあったけれど。
でも警察に届けた。
その足で、近くの喫茶店でバイトをしている当時の彼氏のもとへ駆けるようにして会いに行った。
盗まれた金額より、盗まれた、ということがショックで、その時の私はそのショックさを彼に訴え、きっとなぐさめて欲しかったのだ。
で、店のカウンターには彼しかいなかったので、財布を盗まれたことを話した。
彼は話を最後まで聞かずしてすぐさま
『盗まれたオマエが悪い』
・・と言った。
鍵がないロッカーに貴重品を入れる方が悪い、と。
自分が愚かだったことは十分承知である。
ただ、でも、欲しかったのは罵倒されることじゃないのだ。
まめさんの記事『ほしいこたえ』
http://nine-billion.hatenablog.com/entry/2013/08/26/084210
を拝見して思い出した事である。
彼は相手が私じゃなかったら、きっと違う答えを言っていただろう。
あ~あ~ショックだよね・・と人ごとのように(彼にとって)。
自分の彼女だから怒ったのだ。
自分のことのようにくやしかったのだ。
その時はそう思った。
そう思ったけど何だか悲しくなってしょんぼりとそのまま帰った。
後に、その店のマスターが彼から私の話を聞いて
「花梨ちゃんは○○君(彼)に、ただショックだったことを聞いて欲しかったんだよ。そういう時は、ただそうか、大変だったね、って言うだけでいいんだよ。そこで怒ったら心のやり場が無くなっちゃうでしょ。」とか言ったらしい。
おぉ!!マスターよ!
♪ねぇ~マスター♪
・・と、清水健太郎な気分で歌い出したいぐらい嬉しかった。
あの頃は
恋愛に関しての私の、嫌われたくない、という臆病さと、彼の、自分の所有物のように思う心が一致していたのだと思う。
だからうまくいっていたのだ。いっていたような感じだったのだ。
でも、だんだん、何か違う、という気がしてきた。
財布事件だけではなく、いろいろなことが。
彼は、言ったことに対して私が反対意見を言えば不機嫌になった。
んで、その考えを間違いだと認めさせようとした。
彼は自分の円の中に私を入れたかったのだ。いや、入れていたのだ。
そして私は、最初はそれに守られているような、そんな心地よさを感じていたんだろう。
でも、結局私は彼の円からはみ出していった。
私が求めていたのは、2つの円があって、そんで重なった部分もあって・・というカタチなのだ。
で、ズルい私はだんだん心が離れていきながらもそんなそぶりを見せなかった。
だから、別れようと言われた相手はいつも突然に、である^^;
あれからすっかりオバさんになった私は(笑)今だったら言いたいこと言って反発するであろう。
「はいはい、そりゃ私も愚かだけどさ!でも、あ~・・かわいそうに・・とか、悪いヤローだ!とかさ、一緒に怒ってくれるのが心を分かち合った彼氏ってもんじゃないのかぃ?え?どうなんだぃ?」とか何とか。
男と女だから、なのか、違いってよく分からんけども。
まあ、少なくとも彼の場合はいつも私が同じ意見で同じ好みで・・ということに安心していたかったのだと思う。
だから、ちょっと違うと感じると怒る、というのは不安だったからなんじゃないのか。
それとも男の沽券に関わる(こんな字だったのか!^^;)
とかそんな狭量なヒトだったのかも知れんけど。
数年経って彼が結婚した、と聞いた。
今では幸せにやってるんだろうて。
彼は彼で彼なりのポリシーとか女はこうあるべき、だとかのスタンスで恋愛をしてきてうまくいっていたのだろうよ。
だから。
単に私は、彼と合わなかった、ということだけの話なんだろうけど。
でも、何か思い出すたびに私は何だか、あの時の彼の背中を蹴っとばしてやりたい気分になる。正直言って(笑)
しかし。
ホントに蹴っとばしたいのはあの時の自分、なのかも知れん。
・・・・と、ここまで書いて先日、どこのこさんがまめさんの同じ記事にトラバされていた
『ぬかるみ』
http://doconoko.hateblo.jp/entry/2013/08/27/162241
この、私の内容の薄さに比べての内容(彼女の境遇)の重さのあまりにもの違いに、トラバしようかどうか迷いましたんですが・・・^^;
でも、ずしりと来たので載せてしまったです。