花梨とうの粒焼き

日々のちょこっとをちょこっと。

好きと嫌いのあいだ。

18歳の娘の彼氏は今年から社会人になった。

そして出会ったときから所謂、遠距離恋愛である。

月に一回、彼氏遠方より来る。しかし昨日は『また楽しからずや』とはいかなかったらしい。

 

昨夜遅く帰ってきた娘は泣いていた。

 

彼の『ギャグがつまらない・・』んですと。

何じゃそれ( ゚ω゚):;*.’:;ブッ ww 泣くことかよ!それで!!

 

いや、そんなことじゃないのだけど^^;

私の下手くそな文章で何処まで伝えられるか分からんのですが・・。

 

ええと・・つまり。

『好きなのに一緒にいて楽しくない』

・・・らしいのだ。 

簡単に言うと、その矛盾にどうしていいか分からなくなったらしい。 

まあ、初めて正式に付き合った、のだからいろいろ戸惑うんだろうよ。

なら、それって実は好きじゃないんじゃない?何やっても一緒にいるだけで楽しいってーのが本当に好きってことなんじゃない?

・・・と、言いかけて私は自分の体験を想い出した。

 

遥か昔(笑)

当時付き合っていた年下の彼は、性格は暗いわけでは無いのだが、かなり無口で、自ら相手を楽しませよう、と思うような人ではなかった。 

ギャグも言うけどあんま面白くない^^; 

私の話をうんうん、と聞いてくれるけどそれに対して自分の意見を殆ど言わない。

・・・こうやっていろいろ並べるとどこが好きだったんだろう??とも思う(笑)

でも、好きになるのって条件じゃないんだよな・・。

言葉では好きなタイプを並べられても、それにピッタリ嵌る人が現れたからといって、これまた好きになるかってーとそうでもなかったりして。

 

そんな感じでその彼とは2年ぐらい付き合っていた。

 

で。

ある時、いつものようにいつもの飲み屋のカウンターで二人で飲んでいた。

何を話すでもなく、しん・・とした感じで。

しかし突然、私は寂しくてたまらなくなってしまった。

周りはガヤガヤとしたいつもの喧騒。

そして今までは、そんな中でポツリポツリと二人で話しながらお酒を飲むことが、むしろしっくりと好ましかったのに。

 

唐突に。

世界に二人ぼっち、という気がしたのだ。

それまでまんべんなく明るかった店内の照明がぐぅ~・・っと縮んで、私と彼だけにうす暗いスポットライトが当たった気がした。

ガヤガヤとした周りの酔客の話し声が、すぅ~・・と遠くなって私ら二人だけがこの世界に取り残されたような。

 

一人でカウンターで飲んでいた方がどんなにいいだろうか、と突然思った。

一人ぼっちより、二人ぼっち、の方が寂しいことがあるのだ、ということを初めて体感した。

 

はっきりした原因は無い。

でも何故か寂しくてしょうがなくなった。

もう私はこの人を好きじゃなくなったのかな??・・

『大阪で生まれた女』じゃないが、もう終わりかな、と思ったら泣けてきた^^;

 

別れたいな、別れよう・・そう思えたらどんなに気が楽だろう。

でも好きなのだ。

・・・でも楽しくないのだ。 何なんだこれは。

どうしようもない、どうしてくれようもない、この気持ちは。

 

自分でもいけ好かない言い方だけど

今突然ここでさよなら、って言ったらこの人はどんな顔をするだろうか。。

きっとショックだろうな・・と、彼を哀れに思う気持ちと、全くのわがままだけど、付き合いはじめの、あの、地に足がついてないような、いつもドキドキしていた自分を今の自分が裏切るような気持ち。

 

 

それからしばらくして、やはり別れてしまった。

言い切ってしまうが。。別れたい、と思ってしまってからは女は早い^^; もう、何やっても全然ダメ^^;

つまり・・・嫌いになってしまったから。

 

でも。

そう思い切るまでの、あの、不安定な、シーソーで確実に上や下にいくまでの途中の気持ちのような、好きと嫌いの間。

その間に感じた、何に対してか分からん、ただひたすら寂しく、悲しい気持ち。

 

 

そんなことを、娘の話を聞いていて想い出した。

 

 

娘は思いっきり好きになって、今も思いっきり好きでいようとしている。

友達には、自分の意見をはっきり言う。

でも、彼には言えない。

彼は、しっかりしているようだが、他人にも自分にも厳しくちょいと自己チュー?(まあ。話をきくぶんには^^;)な面もあるらしく、そんな場面にあうたびに娘はぐっと言いたいことをこらえる。

言えばいいじゃん、とも思うのだが、全て

『好き』が邪魔をしている。 

嫌われたくない、というのも大きいのかも知れない。

 

でも。

 

嫌いになったら、どうしよう、と思っている。

自分は、のほほんとした学生で、彼は社会人で。

毎日慣れない仕事で、いやなこともあるだろう。

なけなしの給料ではるばる東京にいる自分に会いにきてくれている。

なのに。私は・・。

 

自分が嫌われるより、自分が嫌いになるほうが怖いのだ。

 

ちょっとづつ・・

 

そんな不安な寂しさ、悲しい予感がするりと心の中に入り込んできている。

 

 

 

 

*一回違うタイトルでアップしましたが削除して、内容を追記して再度アップしました。万が一、最初に読まれた方がいらっしゃいましたらまことに申し訳ない!*