花梨とうの粒焼き

日々のちょこっとをちょこっと。

めくるめく無駄話の世界。

いきなりお名前を出してすまんですが、私の前回のブログでジンジンタロウさんが『忘却は忘れたころにやってくる』との名言(迷言?^^)を残して風と共に去っていかれた。

 忘却、っつー意味合いの中には痴呆という深刻なものも含まれるけど、今回は?単なる忘却、ということでひとつ。

 

今まで忘れていた事柄を思い出した途端に、忘れていたことに気が付くのですなあ。

思い出さなきゃ忘れていたことに気が付かんのですなあ。

えと・・起きたら寝てた、起きたから寝てたことに気が付いた、みたいな。(違うか。意味分からん)

 

んで。

今まですっかりアノ彼のことなぞ忘れていたのだが、『黄昏たそがれ』という本を読んで思い出した。

パルコ(だったっけ)の『不思議大好き~』とのキャッチコピーを生み出したイトイシゲサトのことである。

その頃はまだコピーライターとかインテリアコーディネーターなどのカタカタ職業なんぞあんまり世に出ていなかった。(私が知らんかっただけか)

で、その、不思議だいすき~が一気にブレイクして彼は有名人になり、テレビやらで、もてはやされるようになった。たぶん。

私は、彼が嫌いであった。

嫌いであったことを忘れてたことを、その本で思い出した。

なんつーか・・しゃらくさいと言うか、鼻持ちならんと言うか、すかしやがって(ひどい言いよう)という思いであった。

そんなことを思い出したのだ、その『黄昏たそがれ』を手に取った時。

  

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あらま。いいオッサンになっちゃって!

失礼ながらそう思った。

一緒に写っているのは南伸坊

お二人の対談集である。

図書館で受け取るまで、対談集とは知らなんだ。

対談集ってあんまり好きじゃないのだけど。

南伸坊に対しては、昔、チキンラーメンのCMではじまり、最近は顔マネのヒトという印象で何冊か 読んだり(見たり)した。

いやー似てないけど似てる(笑)

普通?顔マネをする人って万人共通の顔の方が自由自在に変化出来るような気がするけど、この方といいコロッケといい清水ミチコといい、個性的な顔なのに何であんなに似るんでしょうかねぇ~。

で。

この本を読んだ人の半分近くはガッカリ、または怒るんじゃないかとすら思う^^;

一応二人が旅をしながら語っていて、一編一編に鎌倉編だとか東北編だとか書いてあるのにもかかわらず、あの・・これ、ずっと赤ちょうちんの下での対談でもいいんでないの?と思うぐらい、全く、旅、かんけーなし(笑)

全編、日々思っていることなどのゆる~い会話が延々と続いて、タイトルの『たそがれ』的な人生の黄昏を迎えた男たちの悲哀話だとか、子供の頃のしみじみと泣けるちょっとイイ話なんぞ1つも出てこないのだ。

何の役にもたたん、誰かの解説に書いてあったように、『めくるめく無駄話』全開である(笑)

写真も、とにかくどこでもいつでも笑っている仲良しな二人。

中には机に突っ伏してまで笑っているイトイシゲサトの写真もあり、私、人が笑っている写真で吹いたの初めてです(笑)

 

あっ!

何だか本の紹介みたいなブログになっちゃったなぁ~ヤダなぁ~!

しかし、何が書きたかったかっつーと、この2人の会話の仕方が実にほっこり(ほっこりって言葉、いかにも流行りでこれまた厭なんだけど)するのだ、ということを書きたかったのですな。

 

何つーか、反復会話法なのだ。(今付けた)

例えば、片方が『この間ね、タコを洗ったんだよ。』と言えば

『タコ洗ったんだ。』

『うん。タコ洗ったの。そして足は8本もある。』

『足は予想どおり8本だ。でも8本って足にしちゃ多いね』

『うん。足が8本は多いね。』

『イカは10本だけど1本1本は細いからね。』

 

・・というような、相手の言ったことを一旦繰り返し言ってから自分の意見を言う、という方法である。

読んでてめんどくせー!!(笑)

これ、人によってはイライラするかも知れんが、私はこういう会話、好き(笑)

会話、というか、相手の話への擦り寄り方?みたいなものにすごく好感が持てるといいますか。

一緒にトイレ付き合って~は嫌だけど、こういうベッタリ感は微笑ましいな、と思う。

そう思うのは、いい歳こいたオッサン二人だからか、私がいい歳こいたオバサンだからか分からんけど。

 

高校時代からの友人で、そんな人(シンパシーさん・仮名)がいる。

誰かが、何かの話題で『えっとね・・いち・・にぃ・・さん・・』と指折り数え始めると、必ずシンパシーさんも、ニコニコしながら自分の指を折って一緒に数える。

パプロフの犬のように(何てひどい言い方だ)いつでもどこでも一緒に指折り数える。

ある時それに気が付いて、わざと、『いち・にぃ・さん・・』と指折り数えるような話題にしてみたところ、まさに、いつでも、彼女は一緒に指折り数えていた(笑)

御本人はそんな癖なぞつゆほども自覚していなかったと思うが、きっと彼女が人に好かれていたのは、そんな『同時指折り法』をとっていたからではないだろうかと思う。

話す方としてはそんな聞き方をしてくれて嬉しい、ということで。

 

 

そうやって、この本の中の世界のように、人生も共感し合える仲間とめくるめく無駄話をしながら過ごせたら思い残すことはないのだが、いかんせん、むしろ怒ったり悲しんだりすることの方が圧倒的に多いのだなぁ。

せめてブログの世界ではこうやって好き勝手に書きたいことを書いて、ほぅ~お宅もですか、なんつって共感しあえたらいいのだなぁ。