花梨とうの粒焼き

日々のちょこっとをちょこっと。

こんな雪の日に

憂鬱な夜を救ってくれるゲームといる

タイトルは又吉さんの自由句『憂鬱な夜を救ってくれる本といる』のパクリでありますが^^;

最近インフルになった娘は、平熱になったものの学校も閉鎖中で暇らしくずっとPCをやっているし、仕事から帰ってポストを見りゃー税金やら何やらの催促状だし、職場でのあれやこれやもあって、ここ一週間ずっと悶々としていた次第である(笑)

 

何か気分を変えて本でも読もうと『超古代の謎』なんぞ借りてきたものの、超古代より超現在の憂鬱さのほうが勝ってしまい、一向にページが進まない。

そこで、ゲームでもやろうと、なけなしのお金を握りしめてゲオ(TUTAYAみたいなもん)に走った。

なぜそこでゲームに走るかね^^;

 

3DSの『バイオハザード』の中古を買ってしまった。金ないのに。

 

しかしコレが面白い。

面白いしやっている間はゲームの世界へ逃亡出来るしゾンビを撃ちまくらねばなので、他のことを考えている暇がない。

それがよい^^;

 

ただ、生来の方向音痴がゲームにも出てしまい、すぐ迷子(笑)

『俺はここでシステムを操作してるからオマエは研究室へ行ってセキュリティカードを探してきてくれ!頼んだぞっ!』

などと言われ

『わかったわ!まかせて!』

なんつって勢いよく部屋を飛び出したものの、ええと・・何処すか?状態であーる。

うろうろ彷徨って何度もまたその部屋に戻ったりなんかして。

終いに『何やっとんねん!』とつっこまれる始末。嘘だけど。

いやきっと思っているに違いないな。コンピューターでも。

 

んで、そうやって。

ゾンビを撃つと同時に、私はゾンビだけではない何かに向かってひたすら撃つ。撃ちまくる。そして溜飲を下げる。

ゲームクリアーしたって現実は一向に変わらないのだけど。

分かってるんだけど。

 

 

 

笑う門(もん)に福来たれ

近所に年配のご夫婦が二人で住んでいる。

道端で会うと奥さんは『あら~こんにちは~!』とにこやかにほほ笑み、旦那さんの方はちょっと照れたようにペコッと頭を下げる、というような、そんな何だか微笑ましいご夫婦であった。

 

ある日。

彼女から『主人がね、最近リモコンの使い方が分からなくなっちゃったみたいなのよ』と聞いた。

旦那さんは60半ばにしてホノルルマラソンを完走するほどで、筋肉隆々な方である。

普段でも家の前で軽く柔軟体操をして近所をマラソンしている姿をよく見かけていた。

しかし、その話を聞いて以来、体操をしている姿ではなく自分の家をぼーっと見つめている姿を見かけるようになった。

あのお歳にしてはたくましかった身体も痩せて小さくなった。

 

その頃、彼女が普段から綺麗に手入れをされていた玄関前の花が一様にしおれていた。

会うと相変わらずにこやかではあったものの、何だかそれが表には出ない今の彼女の本当の心を映しているような気がして、私も暗い気持ちになった。

 

しばらくして、旦那さんはディケアに通うようになった。

 

それと同時に玄関の花がだんだん元気になってきた。

 

いや、それとリンクしているのかも、勝手にさせていいのかも分からんけど^^;

でも、そんな気がして少しホッとしたのだった。

それ以来、何となく家の前を通る時には、花の状態が気になるようになった。

 

・・・・と、そんなことを前にブログに書いた。

今。

今も、玄関前は相変わらず綺麗に手入れがされているままだ。

だけど。

それを見てホッとしている自分は、実は彼女のことを憂慮しているのではなく、元気でいてくれた方が自分自身が安心というか、何らかの厄介事を背負い込まなくてもすむ(背負い込ませようなんてことを彼女は絶対思っちゃいないだろうし、私に何が出来るわけじゃないけど)という安堵というか、そんな自分可愛さの感情なんじゃないかと思った。

 

家の中でどんな生活をしているのか、どんな苦労をお二人がされているのか分からないことをいいことに、家の外での、彼女の笑顔と綺麗に手入れされた花たちだけを見て、まだ何もしなくてもいいという安堵感を持っている自分。

結局はそうだよな、と思う。

 

勿論、何かあったら、、って何かって何かは分からんけど私に出来ることであれば躊躇せずする、とは思うけど、結局は他人事で自分に害がないから安心して心配しているのだ。

 

 

昨日の暖かさとは打って変わり、今日は夕方ごろから雪が降り始めた。

さきほど、外に出てポストを覗いた時にちょうどディケアの車が夫婦の家の前に止り『ただいまぁ~!』と大きな声で降りてきた旦那さん、そして門の前で相変わらずの満面の笑顔で夫を出迎えた彼女の姿を見かけた。

 

そんな自分可愛さの、自分保身の、思惑ではあるけれど、でも、ただただ彼女の笑顔が、例え外でだけの笑顔であったとしても、消えることがありませんように、と、うっすらと綺麗に雪を被った彼女の植木鉢を見ながらそう思った。