花梨とうの粒焼き

日々のちょこっとをちょこっと。

おばさん賛歌

先日は実に愉快な忘年会であった。

近所主婦6人との毎年恒例の飲み会である。

私含め皆、乙女時代は遥か彼方にすっ飛んでいき、かと言って老年にさしかかるにはまだちょっと、な妙齢のおばさん達である。

 

あまりにも楽しくて心から

『あぁ。おばさんになってよかったわぃ』

と思った。 いや、ほんとに。

いや、あの時だけ^^;

 

最近は(ちょっと前かな?)テレビでも雑誌でもいたるところでアンチエイジング、アンチエイジングとお経のように唱えやがって、と思う。

例えば、身体を壊して『じゃあアンチエイジングしましょう(とは言わないと思うけど^^;)』などと医者が患者に真面目に老化をふせぐためにとの医学療法的な意味で使うならよいのだけど、その言葉を看板に掲げてやたらめったら何でも『アンチエイジングしましょう!』で売ろうとする、その商根が許せんのだ。(そこまで?^^;)

 

もう、いいからほっといて下さい、と思う。

なんと言うのかなぁ・・。

そんなに若返りたいと思ってると思ってるのかと。

まあ、確かに若返りたいと思っていますよ。

でも回りからワヤワヤと言われたくないのだし。

 

昔、タレントのYOU(髪がいつもわしゃわしゃ乱れている感じな人^^;)がトーク番組で、彼女の髪の毛に対していろいろ言われていて、ついに

『みんながみんな髪の毛つやつやサラサラがいいと思ってると思ったら大間違いだよっ!』

・・と叫んでいた(笑)

そんな心境である。 

みんなそりゃ~お肌つるつるシワシミ無しがいいに決まってるけどさ、一神教みたいに若さ若さと、若さ信仰ばかり唱えられたら、何だかうんざりなのだ。

 

 

この間の飲み会では誰かが『めんどくさい』だとか『ど~でもいい』と言うたびに笑いが出た。

それは、うんうん、分かる^^;ということを含んだ笑いである。

ある程度歳を重ねると、若い頃に熱くなっていたものや事に対して、めんどくさい、ど~でもいい、という心境になる場合が多々あるのだ。

けど、皆、それを体現しているかのようなど~でもいい恰好をしているわけでも、下品でもない。それなりにおしゃれさんであるし、家も(うち以外)皆いつも綺麗に掃除している。

しかし。

何かふっと肩の力が抜けたような、自分をちょっと冷めて見つめているような、そんな心もちなのだ。

 

もしこれが20代の頃であったなら、誰かが『そんなのど~でもいいや』なんて言っていたら、そ~だね~とか相槌を打ちつつ、心の中ではどうでもよくなかったりしたのかも知れん。

同じ世代でありながら、でも自分は、自分は、と個性を強調しあってどこかで張り合っていたりして。例え気の置けない友人であっても。

しかし、おばさんはどこか共通の自虐意識?みたいなものを持っていて、そこを誰かが吐露すると、そうそう!私もよ!と、何かくすぐったいようなそれでいてちょっと哀しいような共通の安堵感みたいなものを感じる。 

例えば、誰かが白髪が目立ってきたからそろそろ白髪染めをせねば、と言う。

そこから話が広がってアレがいいだのの話から、この間行った美容院の話になり、イケメン美容師がいたなどの話になる。

んで、若かりし恋の話なんぞになり、あーだーこーだとなり盛り上がるが、終いには、ま、もうど~でもいいけどね~となって笑いで終わる。

で。

これまた例えば、その話をこっそり聞いていた若いもんが、

『そうですよねぇ~。もう恋なんて出来ないオ・バ・サ・ンですもんね~^^;』

などと言ったとする。(誰も言わないだろが)

そうなれば途端にもう全員総立ちで色めき立ち(笑)『ぬぅあにおぅ~!?このガキャ表へ出ろぃ!』

てな勢いであろうよ。 プッ(* ̄m ̄)

 

アンチエイジングの必要性も、おばさんであることも百も承知の年齢である。そしてそれを自分たちで笑い飛ばす。

しかし、かと言って他からあーだーこーだと指摘されると途端に牙を剥く(笑)

そんなめんどくさい、んで味わいのある?お年頃なのですな~( ̄∇ ̄;) ハッハッハ-

 

 

 

忘年会の帰りに皆でカキンと凍ったような星空を見上げた。

その日はふたご座の流星群祭りであった。

あっ!見えた!!

よし!今度こそ願いをかけるぞ!

そうやって、家までのわずか5分足らずの道のりを、流れ星見たさに首が痛いだの上見すぎて気持ち悪くなっただの言いながら40分ぐらいかけて帰ってきた。