花梨とうの粒焼き

日々のちょこっとをちょこっと。

花と草の名前

今日、図書館からメールが来ていたので、おぉ!予約していた『恐怖女子会』←怪談本(笑)でも来たのかね!!(`∇´*)と期待に胸躍らせて開いたらば

『返済期限を過ぎている資料があるので速やかにお返し下さい』との催促メールであった^^;

 

『雑草の呼び名辞典』ですと。

 

しかし。

とんと、記憶に無かった。

いや、嘘つきました。 

借りた記憶はあったのだけどそれっきりすっかり忘れていたのだった。

速やかにお返ししなければ。

 

 

 

 

女子というものは、何だって花や雑草の名前に詳しいんだろうか。

長年女子をやっていてのギモンである。

いろんな方のブログを拝見していても

参道の脇にひっそりとオミナエシが咲いていました

とか(適当)

冬の間じっと耐えていたノアザミがやっと顔を上げ

とか(今作った)

何というか、花の名前をちょろっと書き添えるだけで季節感がぐんと広がるのだねぇ・・。

 

なので、その本を借りたのは、本来図鑑とか辞典が好きで何でもいいから網羅したい、という欲求もあるが、花や草の名前や由来を知りたいのぅ・・知って、さりげなく

『大待宵草のように、夜を待って咲く恋よ・・』(演歌っぽい)

・・とかなんとか書いてみたいもんだ、っつーやましいことからである。

ま、借りてたの忘れてたんだけど^^;

 

 

物心ついた時から知っていた雑草の名前はと言えば

『びんぼう草』である。

ハルジオンなんつー素敵な正式名称だと知ったのは随分経ってからだ。

ハルジオン。

なんと貴族っぽい響き。 

特に、~オン、つーところに何やら余韻がある。

 

北欧の白いフランス窓が映える瀟洒な洋館。

バラ咲き誇る庭に佇む、シルクのシャツの美少年。

ふいに、後ろから優しく声をかける彼の美しい母親。

『もう中にお入りなさいな。温かいハーブティーを入れたのよ。・・ハルジオン?聞いてるの?』

 

 

我が家の庭にもハルジオンは咲く。

しかし、途端にその花は名前を変えるのだ。

びんぼう草、と。プッ(* ̄m ̄)

それは廃墟スポット化もささやかれる、狭く荒れた庭というのもあるだろうけど。 いや、ソレか^^;

 

しかも、びんぼう草の語源はと言うと

『どんなに貧乏な家の庭にも咲くから』

・・・そのままやんっ!!^^;

 

そして。

窓辺に佇んでいる私に後ろからかけられるのは

お腹すいた~何かない?

であろう。 

決してハーブティーなんぞ誰も入れちゃくれまい。

 

 

よく思うのは、もともと名前なぞ無かった花や草たち(に限らないが)は別に名前なぞ欲しくなかったんじゃないかと言うことである。 雑草と呼ばれることにも不満であろう。

聞けないけど。

ましてや『馬肥やし』とか『藪虱(ヤブジラミ)』なんて可愛くないネーミングのものもある。

 

便宜上なことは尤もとは言え、その名前の縛りがちょっと可哀想である。

私はそんな単純な名前を付けられるような花じゃないわ!ってな感じか。

知らなかったらもっといい印象だったかも知れんのに。

・・とは言いながら、例えば『芋方喰み』なんぞは夜になると葉が半分だけ閉じ、誰かに半分だけ喰われたような感じだから、なんて面白い語源だったりして。

 

 

花や雑草の名前音痴な私だが、初めて名前を聞いた時から未だに忘れない名前もある。

橙色の大きな花が垂れ下がって咲く『ノウゼンカズラ』である。

名前を教えてくれたのは近所に住んでいた老婦人である。

彼女の、長屋のような借家の小さな庭で、それは毎年ひときわ目立って咲いていた。

『カズラ・・て、なんか、演歌みたいな名前ですねー』と笑い合った。

まもなく彼女の家は立ち退きを迫られ、最後まで粘っていたのだがとうとう追い出され何処かに引越してしまった。

家も大事にしていたノウゼンカズラもショベルカーの下敷きになり、やがて更地になった。

そして、それから彼女は1年も経たないうちに亡くなってしまった。

だから未だにその花を見ると名前と彼女の顔をセットで思い出す。

 

 

そんなことで、花や雑草の名前や由来、知りたくもあり知りたくなくもあり。

 

ちなみに(ちなみに、って言い方好きじゃないけど)ハルジオンの花言葉は、『追想の愛』ですと。

 

そう言われると我が家のびんぼう草も浮かばれるっつーもんだ。