花梨とうの粒焼き

日々のちょこっとをちょこっと。

必要は発音の母である。

先日読んだエッセイ本に、これほど英語教育がなされているのに何故にニホン人は英語の発音が苦手なのかっつー問題について書かれた章があった。

その著者が思うに、まず、中学に入った時点でもうダメなんですと。

例えばappleは『アップル』ではなく『アポー』と言え、と。

どんな顔をして突然アポーなんて言えるのか、と。

級友の誰かがアポーと口を綺麗にパカっと開けて言っていても、半分の生徒は思ってしまう。

すかしやがって・・と。

 

確かに。

私の場合もそういえばちょっと気取りながら口の中でもごもご言ってはみたものの、それを真面目な顔をして皆の前で言うなんて・・まだウンコとか言ってた方がましであった。

そうなのだ。

この間までウンコとかおしっことかで大いに盛り上がっていた小学生が、急に神妙な顔をしてアポー、と言えることは、何つーか、発音をマスターする以前の問題で、まずそんな羞恥心を克服することからなんじゃないかと私も思うのだ。

それにアポーッって言えばあんた、ソレ、ジャイアント馬場じゃないか。

そんなことからの発想かどうか判らんけど(違うと思うけど^^;)著者は、そんな羞恥心をまず取り除くべく提案している。

 

最初は『モノマネ』から教えるべきである、と。

 

英語の発音なんて所詮モノマネなのだ。

Rの発音なんて酔っ払って呂律が回らん時ぐらいにしか出ないのだし。

著者は言う。

6年以上も英語教育を受けるのだからそのうちの1年なんて大したことない。まずはモノマネをこなしてからの英語の発音だろう、と。

だから、先生が髪を耳にひっかけて『何ですかぁ~?』と言う後から続いて生徒も髪を耳にひっかけて『何ですかぁ~?』とな。

そんなモノマネあれこれを1年かけてマスターし、モノマネをすることに抵抗が無くなり、もしかしたらご本人ですか?@@:なんて驚かれるほど羞恥心を捨てて上手くなってからの、それからの!英語でいいんじゃないか、と。

 

 

 

学生の頃。アメリカでホームステイさせてもらった時にアメリカ母におやつは何が食べたいか?と聞かれたことがあった。

私はプリンが大好きなのでプリンがいいです、と言ったのだがこれがまた全然通じないのだ。

プ?・・プリ・・?と首を傾げている。

なんで解らんか@@:・・と自分の発音の悪さを棚に上げてしょうがないのでしどろもどろでミルクと卵で出来ていて云々と材料を並べてたら、やっと

『おぉー!! プディング!!』

・・と膝を打っていた。打ってないけど。

あ、そうか・・!!(;;;゜ω゜;;A)

プリンじゃなくてプディングと言うのか!

いやいやプディングって言うじゃん日本でもさ!!

・・と私はくやしかった。

まあ。

それは発音の問題と言うより単語自体が違っていたと言うことかも知れないけど。

 

そんなことでそれ以来、正しい発音で喋らねばと必死であった。

羞恥心もへったくれもない。

いくら正しい綴りが書けようともいちいち紙に書いてなんぞいられんし、相手に伝わらないとプリン、いや、プディングだって食べられないのだから。

どんなに腹が減って『アイムハングリー!』と訴えていても発音が悪くて『アイムアングリー!』なんつって聞こえた日にゃー

何かあの人いつも怒ってるけど何だろうねぇ~┐(´ー`)┌

などと肩をすくめられていつまでも腹が減ったまんまである。

 

だから。

必要は発音の母である、と思う。

逆に、必要なければいつまでたっても発音は産まれないんじゃないかっつーのが私の持論なのだす。

 

こんな私でも帰国する間際には物を落とした途端に『ウップス!』なんてカッコよい英語がうっかり口をついて出てきた次第である。

だけど、今となってはもう綺麗さっぱりだ。

 やっぱし

『アポー』はもうジャイアント馬場としか思えない。

 

 

*kinakoさんの記事

『外国語ができない言い訳をする(^_^;)』にトラバですb

http://kinako.hatenablog.com/entry/2013/06/14/012201

ちっとも上達しなかった、と書かれてらっしゃるが半分はご謙遜だと密かににらんでおります(笑)

しかし、パックパッカーだったkinakoさんにとって最も必要だったことは

伝えようとする熱意と勇気と、聞き取ろうとする好奇心である。

と、書かれておられます。

ホント、私もそう思うです。