花梨とうの粒焼き

日々のちょこっとをちょこっと。

カラスな日。

仕事帰り、何故かカラスについて考えていた。

 

カラスはやっかいである。

例えば道を歩いていて目の前を横切る雀や鳩を見かけても別に何とも思わなかったりする。

ただの通りすがりな鳥、っつー感覚。

しかし、カラスに対しては傍を通る度に身構えずにいられない、そんな心理的負担がある。

ふにゃふにゃな気持ちで出会った時なぞ、いきなり姿勢を正される。

理不尽に襲われるかも、という恐怖(向こうもそれなりの理由はあるんでしょうけど。巣がある、とか)または、単に、デカいし黒光りしてて恐い、というのもあるのだけど。

しかし。それより、なめられたらアカン!・・っつー気持ちの方がまず出てしまう。

何か心の隙を突つかれそうな。

オレは知ってるぞ・・みたいな。

何を知られているか分からんが、とにかくそんな見透かされた感を抱く。

だから、何よ、アンタ!私はやましいことなんぞ何もないぞ!ってな感じで背筋をピンと伸ばし、足早に通り過ぎる。

そのまま何事も無く(大概、そうだけど)通り過ぎることが出来た日にゃー、何かに合格した気にすらなって(何に?^^:)へへん・・と思う。

でも 、奴らが人間だったら私は絶対勝てない、という気がする。

気力、とか、知力、とか、そんな面で(笑)

憎いけど、恐いけど、一目置いてしまうような、侮れない存在。

 

 しかし、一回だけ、カラスと心を通わせたことがある。 通ったのか、ほんとに。

 

父の墓参りをしていた時に、お供えものの饅頭がその場で食べきれず、どうしよう~・・と思っていたら(全国的に、かどうか分からんけど持って帰っちゃいけないらしいから^^;)斜め上から視線を感じた。

ふと見上げると、一羽のカラスが傍の木の枝に止まっており、そっと横目で私を見ていた。

で。

それに気づいた私は、思わず「食べる?」・・とカラスに聞いてしまったのだ。何で?

普段ならお墓の供え物を狙っているにっくきカラス、という認識で、奴らの視線を感じつつ早く食べよう!てな感じなのに。

いくら食べきれんとて今までカラスにあげよう、なんぞ思ったこともないし、ましてやそんな餌付けみたいなことはしちゃいかんのだ、とも思っている。

けど、その時はなぜかそう口走ってしまった。

 

すると、そう言った途端。

奴は確かにハッとした顔をしたのだ。

そして、構えたのだ。 貰える姿勢をとったのだ!

え?・・くれんの?・・という感じでこちらに向き直り、まっすぐ顔を私に向け、身構えたのだ。

言葉分かったの??@@:

 

こうなりゃもうあげるしかない。

ポーン、とそいつに向けて饅頭の欠片を放った。

放った途端に奴はこちらに向かって羽ばたき、空中でパクッ!・・と食った。 ナイスきゃっち!

んで、いや~ありがとありがと!と言って(たぶん)奴は空に飛び立っていった。

 

意思の疎通ってやつか?

単に、餌付けされてたのかも知れないけど。

 

生ゴミを荒らされたり、自転車のサドルを突ついて中のスポンジを出されたりした時は、んーニャロー!・・と思っていたけれど。

ソレ以来、私はカラスと、どうかすると友達になりたいとすら思うようになった(笑)

 

道を歩いていて、カラスを見かけると必要以上に目線を合わせようとしていたりした。

しかし、大概は小馬鹿にしきったような目で私が通り過ぎるのを黙って見ているだけだ。

 

墓地で出会ったあのカラスと近所にいるカラスはまた違うのだろうな。 

お供え物をお墓に置いておくことは禁止されているけれど、私がしたように、ぽんっと食べ物を放り投げられたりするのかも知れない。

または、お墓参りをしに来る人たちは穏やか、というか、死者を悼む気持ちでいるので、せかせかパキパキした雰囲気も無く、カラス達も安心しているのかも知れない。

 

・・・と、もうど~でもいいようなカラスについてのことをたらたらと書いてきたが、そういえば、妹が雨の日に傘を差して歩いていたらば、いきなり急降下してきたカラスがその上にとまったんだよ!と怒っていた、というこれまたど~でもいいことを思い出した(笑)