花梨とうの粒焼き

日々のちょこっとをちょこっと。

検定?

20歳頃のある日。

タクシーに乗っていた。

信号待ちになったところで、運転手さんが売り上げ?のお札を数え始めた。

すると、後部座席に座っている私の、膝の上に置いた手の中にふわりと落ちてきたモノが。

あれ?・・と思って手を見やると、何と(何と、ってことないが)1万円札であった。

少し開いていた窓からの風で、オジサンの手から一枚が離れて飛んできたのだ。

 

「あのー、お札、飛んできましたよー^^;」と言って渡した。

するとそれまでさして愛想も無く運転していたオジサンが急に破顔になって

「あー!!有難う!!いやー有難う!!いやーヨカッタ!!」と大袈裟なほど喜んでいた。

「いやいや、お客さんで良かった。いやぁ~イイ人だねぇ~アンタ!」

・・みたいな手放しでの褒めよう。タクシーを降りる寸前まで言っていた。

私はいえいえ^^と、さも当たり前の事ですよ的な冷静さを装って降りたのだが

心の中は有頂天ホテルであった。 (意味分からず)

 

 

その時は何も考えなかったけど、後から思うに、あのまま手の平のお札をそっと握りしめてネコババしちゃっても気付かれないシチュエーションであった。

 

 

しかし。

もしかしたらアレは試験だったのではないか。

オジサンはこっそりと車のルームミラーで私がネコババするかどうかを観察していたかも知れない。

後からそう思って、返してヨカッタと、ほっとした。

 

 

取り敢えず、イイ人検定、合格。

 

 

んで、また別の日。

 

駅の切符売り場で財布を出して切符を買おうとしていたら、ひゅるんと足元に何かが落ちてきた。

・・・1万円札であった。

 

おっ!!(;;;゜ω゜;;A)

さりげなく周囲を見回したが落としたようなそぶりの人は見あたらなかった。

勿論、自分のではない。

だって、その時はかなりの金欠で、財布にお札一枚入っていたかどうかだったのだから。

その1万円札を拾った瞬間、心の中にふっと悪魔が。

 

こ・・このいちまんえんがあれば・・・(;;;゜ω゜;;A)

 

 

すると!! 横にサラリーマンらしき男の人が来て

「それ、あなたのですか?今、1万円落としちゃったんだけど。」

 

と鋭い目をして、いや、明らかに疑いの目をして言った。

 

「あ・・いや・・違います・・今、落ちてて・・あの・・」

もう、しどろもどろになり、変な汗をかきながら1万円を差し出した。

 

 

 

 

 

イイ人検定、不合格。

 

または。。

 

悪い人検定、初級、合格。

 

 

 

。。まあ、人間ってそんなもんだ。

 

 

ですよね?? (;;;゜ω゜;;A)